2004年04月27日
中国語にはいわゆる「そり舌音」という発音があります。その名の通り、舌をちょっとくるっと巻いて出す音です(ものの本によれば実際に舌を巻く必要はないらしいですが)。この音は日本語にはない発音なので、私も中国語の勉強を開始した時に非常に苦労した記憶があります。
今この「そり舌音」を学生に教えているのですが、うまく発音できる学生はごくまれで、私としても頭を悩ませていました。「chi」の発音だったら、まず「qi」と発音させながら、「そこで舌をくるっと巻いてみましょう」なんていって教えていたのですが、どうもうまくいきませんでした。
それで、昨日私のゼミの友人(長年中国語の非常勤講師をやっている)にどうやって教えればいいのかアドバイスを求めてみました。その友人によるとごく簡単で、
まず、
1、舌を上の前歯の裏にあて、そこから、前歯の後ろの堅い部分を奥に向かって舌先で舐める(図がないのでわかりにくいかも)。
これを何度か練習する。
2、次に、「chi」なら、「ち」と発音する。
3、最後に、「ち」と発音しながら、1の動作をする。
すると、あら不思議、ちゃんと「chi」の発音ができてしまうのです。「zhi」だったら、「じ」といって、1。「shi」だったら、「し」といって、1。非常に簡単です。
この友人は母校の先生からこの方法を教わったそうです(その先生によると、「そり舌音」はむしろ「引き舌音」だとのこと。深く納得)。さっそく今日の授業で偉そうに教えてみたいと思います。
ついでに日本語にない発音の、「e」という音と、「u」(上にてんてん)の音の発音の仕方を書いておくと、これはけっこう有名だと思いますが、
「e」:「え」の口をして「お」
「u」:「う」の口をして「い」
です。厳密に言うと違うでしょうが、最初の教え方としては、学生にもわかりやすいと思います。
授業で使っている教科書は発音の説明がものすごくいい加減で、例えば、「u」(上にてんてん)の発音は、「横笛を吹くように口をすぼめる」とかいう説明なのです…。横笛を吹ける人がどのくらいいると思っているのでしょうか(笑)
2004年04月21日
昨晩から『三国志』を読んでいます。『三国志』といっても岩波書店の『三国志』ではなく、また現代中国語訳でもなく、吉川英治の『三国志』です…。いちおう私も中国研究者のはしくれですから、吉川英治の『三国志』を読んでいるなんてことは、恥ずかしくて関係者には言えないことなのですが…。
でもこの小説はめちゃくちゃおもしろいのですよ。私がこの小説を最初に読んだのは高校生の時だったと思います。どういうきっかけで読み始めたのか思い出せませんが、家になぜか『吉川英治全集』がおいてあって、たまたま読んだのだと思います。「どこでもドア」というドラえもんの道具がありますけど、この本を開くと本当に「どこでもドア」で三国志の時代に入ったような気がしたものです。とにかくしばらくは寝ても覚めてもこの本を読んでいたように思います。高校生にとってはかなり量の多い小説なのですが、むしろもっと続きが読みたいと思えるような小説でした(私がこれほど熱中して読んだ小説は、『三国志』の他には、阿佐田哲也『麻雀放浪記』と大江健三郎『万延元年のフットボール』だけです)。
私もすでに高校生ではありませんし、頭の中身もそこそこ成熟しているでしょうから、昨晩は本当に何気なくどんなものだったかを最初の部分だけ読もうと寝床に入ったのですが、読み始めたとたん夢中になってしまって、3時間も読みふけってしまいました。私の頭の成熟度が低いのか、それともこの小説の魅力のせいなのかは知りませんが、とにかくかなり熱中して読めました。ただ高校生の時には気づかなかったこと、例えば劉備が「経済」とかいう言葉を使うことにそれなりの違和感を感じもしましたけど…。
昨晩は、董卓が朝廷を私物化していること対して、曹操が各地の勢力に檄を飛ばすとこまで読みました。劉備も関羽と張飛を従えてこれに参戦します。董卓には天下無敵の呂布がついているので、そろそろ関羽・張飛組対呂布の対決があるはずなんですよね。
うーん、今晩も楽しみになってきました^^
2004年04月19日
明日は中国語の2回目の授業があります。90分というのは長いので、時々雑談を入れるように学校の人からも言われていたのですが、20数名を前にして雑談をした経験がこれまでなかったので、前回はうまくできませんでした。それで90分ずっと授業。私も疲れたし学生も疲れたろうと思います。それで雑談の練習として、私がどのように中国語を勉強してきたのかをこの場を借りてお話ししたいと思います。
私が中国語を始めたのは大学3年生の時からです。特別興味があったというわけではなく、第二外国語を一つやらないといけなかったので、「チャイ語楽勝」という噂を聞いて中国語を選択しました。まったくやる気はなかったのですが、2回目か3回目の授業で、中国人の先生に発音が上手だとほめられたのです。今から考えるとなんでもないことなのですが、先生にほめられ喜んだ私はさっそくその日に本屋さんに行って、『科学的な外国語学習法―日本人のための最も効率のよい学び方』という本を見つけました。この本は徹底的に発音重視の本で、この本に感化された私は、次に『日本人のための中国語発音の特訓』というカセット付きの参考書を買いました(『科学的な外国語学習法』は今でも読み返すことがありますが、このカセットはどこに行ったのか分かりません^^)。
中国語にかなり興味を持ち始めた私はその年の夏休みに北京に短期留学しました。これはに短期留学でもいいからその国に行ってみることが一番だと書いてあったからです。3週間の授業と内モンゴルへの旅行がセットになっているコースでたしか30数万円かかったと思います(今はとても出せませんが、当時はバブル末期の頃で、けっこういい時給のアルバイトがあったのです)。これが私にとっては初めての海外旅行でした。いきなり北京で迷子になったりもしましたが、とにかく無事に短期留学が終わりました。3週間くらい中国にいたくらいで突然中国語が話せるようになるわけではもちろんありませんが、やはりその国に行くのは外国語を学ぶ上で非常に有意義だと思います。というのも、外国に行くと言葉が通じないもどかしさを感じることができるからです。当たり前の話ですけど、日本にいて中国語が話せなくてもまったく苦労しませんが、中国で中国語が話せないのは本当に苦労するからです。こんなことが言いたいのに言えない、相手の言っていることが理解できない、というもどかしさは外国語を勉強する上で格好の動機付けになると思います。
日本に帰国してから中国語を猛勉強し始めた、と書きたいところですが、ここからなぜか英語の勉強に走りました。中国にいた時、私が中国語が話せないものですから、向こうの学生なんかは英語で話してくるのですが、これがまたわらかなくて一苦労したからです。それでまた科学的な外国語学習法に習って、英語の発音のテープを買ってきて発音の訓練をして、ちょっと英会話学校などにも通って(けっこうお金使ってますね^^)、そして翌年の2月に今度はアイルランド(イギリスの隣。物価がイギリスよりちょっと安い)の英語学校で2ヶ月ほど勉強しました。英語はさすがにそれまで何年間も勉強していますから、2ヶ月でもそこそこ話せるようになったと思います(今は話せませんが)。アイルランドでの生活は色々面白いこともあったのですが、話がそれてしまうのでここでは省略します。
中国語の勉強を再開したのは、4年生になってからです。今度もまたお金を使うことになるのですが、これは立花隆の『「知」のソフトウェア』という本を読んだからです。そこには立花隆がイスラム語か何かを勉強した時の体験談が載っていて、その方法とは自分でお金を払ってネイティブの家庭教師に教えてもらうという方法でした。自分で身銭を切ることになるので、必死に勉強する、というわけです(この箇所は後に出版されベストセラーになった『ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論』にも書かれていたと思います)。
それで私も大学の掲示板にそういう募集の紙を貼って、ということになるのですが、明日は朝が早いので今日はこのへんにしておきます。
つづく(たぶん)
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この記事は以前、別の場所で書いたものです。
2004年04月14日
昨日は生まれて初めて「先生」として教壇にのぼってきました。ちょっと緊張しましたけど、最初に出欠を取ることで心を落ち着かせることができました。ただ、本当は最初にちょっと私の自己紹介、どのように中国語を勉強してきたのかを20分くらい話そうと思っていたのですが、慣れぬせいでうまく話が続かず、2分ほどで切り上げていきなり授業に入りました^^
それにしても、外国語の教師というのは、つくづく肉体労働だと痛感。これが中級とか上級になると話は違ってくるのでしょうが、まったくの入門クラスなので、ずっと声を出しっぱなしでした。昨日は「四声」をやりましたけど、わずかの間にみんなけっこうできるようになって、ちょっとびっくりしました。教え方がよかったのでしょうか(笑)。
あと気づいたのは、やる気のある学生とそうでない学生はこちらから見ると一発でわかるということです。私も基本的にはやる気のない学生でしたから、こういう風に先生には見られていたのだなぁと感慨深かったです。
昨日のクラスは中国語を選択した学生だったので、ほとんどみんなそれなりのやる気があるようでしたが、来週は必須クラスの授業もあるので、こちらがどうなるのかがちょっと心配です。少しでも中国語に関心を持ってもらえるように、楽しい授業にしたいと思っています。
【関連記事】
上川隆也の中国語:「大地の子」陸一心
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2004年03月05日
今学期の学費をまだ払っていないことに気づいたので、今日は銀行へ行かなくてはなりません。大学院生の学費がいくらかというと、私の通う学校(国立)では年間54万円くらい。これは高いのか安いのか。
単純に1回の授業あたりの金額に換算すると、私は週3回くらい授業に出てて、年間の授業は25週くらい。ということは、54万円÷75で、1回あたりの授業に払う金額は7200円!
もちろん図書館とか食堂なんかの施設費なども込みでしょうけど、それを差し引いても1回の授業に5000円は払っていると見ていいと思います。
普通の大学生はもっと授業があるでしょうから、1回あたりの授業料も減るわけです。だいたい普通の大学生だと週15回くらいは授業があるのではないでしょうか。
私がここで声を大にして叫びたいのは、週15回授業に出る学生と週3回しか出ない学生の授業料が同じなのはどういうことなのか、ということなんです!週3回しか出ないというということは、大学にとってはそれだけ人件費がかからないわけですから、当然、授業料は安くならないとおかしいはずです。
かなり前のニュースで恐縮ですが、中国ではこの不条理きわまりないシステムにすでにメスが入れられているのです。
ソース:「人民網日本語版」2004年2月11日
大学で学費新システムを実施 単位数に応じて納付
中国大陸部の一部の大学で、今年から単位に基づく管理制度が実施され、学費納付のシステムが変わる。学生は履修単位数に応じて学費を納入することになる。
大学は物価部門が承認した学費基準に基づき、登録単位数ごとに学費を徴収し、学年の終わる前に実際の履修状況に応じて精算を行う。新システムは、今年は全国の3割強の大学で実施される見込み。記事全文
どうですか、この合理的なシステム。日本の大学にも見習ってもらいたいものです、と言いたいところですが、このシステムを導入することによって日本の大学がつぶれたりすると私の就職の機会がそれだけ減ることになるので、やっぱりこのままでいいかなぁと。
あきらめて学費納めに行きます(支払い期限は去年の11月だし…)。
【追記】
よく考えると、大学院生の出る授業は少人数の授業で、一般の大学生の授業は大人数の授業だから、私が書いた、授業の数が違うのに学費がどうのこうの、というのはおかしな見方だということに気づきました(アホ)。
| 研究計画書の考え方―大学院を目指す人のために 妹尾 堅一郎 |
2004年02月29日

私はあんまり映画を見るほうではないので、見た映画の数も本当に少ないのですが、その中でも強烈に印象に残っている映画が、『シュウシュウの季節』という映画です。
これは中国の文化大革命期を背景にした映画です。文化大革命とは中国で1966年から開始された政治・社会運動です。文革は中国社会全体を未曾有の混乱に巻き込み、その期間、さまざまな悲劇が生まれましたが、この映画はその悲劇の一つを描いたいわゆる「文革もの」です。
主人公の少女シュウシュウは、「青年は農村へ行って自分自身を鍛えよ」という名目で開始された文革期の「上山下郷」政策によって農村へ送られます。共産主義の理想の実現のため農村へやってきたシュウシュウでしたが、そこで待ち受けていたものは、過酷な労働ときびしい自然環境でした。シュウシュウはなんとか町へ帰ろうと、地元の権力者(と称する者)たちに自分の体を売ることになります。ここからシュウシュウの悲劇が始まっていくわけですが…。
この映画は、私の、二度と見たくない映画ワースト1なのですが、どうして二度と見たくないのかを話してしまうと、これから見ようとする方に悪いので、このへんにしておきます。
私の知り合いの方はこれを大阪の映画館で見たそうですが、その方によると、映画が終わった後、「金返せ!」という罵声が飛び交ったそうです。「金返せ!」というのは、映画が面白くなかったから「金返せ!」ということではなく、まったく別の意味で「金返せ!」なのです。とにかくそのくらい強烈な映画。普通の人で2、3日、気の弱い繊細な方だと1週間は気分が落ち込むことうけあいです。
私は二度と見たくないですが、興味のある方はご覧ください。映像は大変きれいですし、俳優もいいです。
【文化大革命関連サイト】
文化大革命関連書籍
2004年02月28日
こちらで見つけたちょっと信じがたいニュース。
【香港27日】 香港のテレビ視聴者はストリップするアナウンサーが読み上げるニュース番組で、「裸の真実」を知る機会に恵まれることになる。27日付の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じた。(写真は、ブルガリアの衛星放送で、最初は完全な着衣姿で登場し、ニュースを読みながら脱いで行く同様の番組光景)
同紙によると、当地のデジタルTV放送の一つ、ファイア/アイス・ニューズ・ブレティンは土曜と日曜の夜にこの種のニュース番組を放映する。最初のオンエアは今週末で、アナウンサーは18歳のチャン・ロン嬢。5分間の番組で着衣を脱ぎながらニュースを読み上げるという。記事全文
どういうことなのか調べようと思いましたが、ニュースの出所のサウスチャイナ・モーニング・ポストが会員制なので、調べられず。香港のテレビがどこの管轄にあるのかまったく知りませんが、共産党はこれをだまってみておくのでしょうか。
そもそも、これは普通のニュース番組でこういうサービスというか^^、催しというか、それをやるのか、それともアダルト番組でおふざけニュースをやるのかもまったくわからない。ブルガリアで実際に放送されているみたいだし、どういう番組なのだろうか。
うーん、とりあえず見たい…(^^;
こちら経由で初めて知ったのですが、「SUNTORY OOLONG TEA CM SONG COLLECTION」なるアルバムが発売されているもよう。
私がずっと前にラジオで偶然聴いた吉田拓郎「結婚しようよ」の中国語版は、サントリーのCMで流れていたものだったんですね。知らなかった。うかつ。
アマゾンによると、「歌詞カードもしっかりしている」らしいので、とりあえず「暑中お見舞い申し上げます」を中国語で何と訳しているのかが見もの。
それにしてもこの数ヶ月、ほとんどテレビを見ていない。私がテレビを見るのは食事の時だけだったのですが、子供がちょっと大きくなってからは、妻から食事中テレビ禁止令(新聞もだめ)が。覚えている限り最後に見たテレビは、昨年秋の学会発表が終わった夜に大阪のホテルで見た日本シリーズ。野球中継を観るのは好きなので、春までにはなんとか手だてを講じたい。
2004年02月27日

レスリー・チャンについては、前にちょっとだけ書いたことがありますが、今度、彼の一周忌にあたって追悼映画祭が開かれるそうです。
レスリー・チャンさん一周忌で甦る 「笑顔をもう一度」ファン熱望
昨年4月1日に自殺した香港人気俳優で歌手の故レスリー・チャンさん(享年46歳)の一周忌に故人を追悼する映画祭「レスリー・チャン メモリアル映画祭」が開催されることが24日、分かった。(3月27日から4月9日まで大阪・心斎橋シネマ・ドゥ、4月3日から16日まで東京・テアトル池袋)。突然の死を惜しむ声が絶えないアジアの大スターとスクリーンで“再会”出来る機会だけに、ファンには見逃せない映画祭となりそうだ。記事全文
上映される映画は、どれも「コメディー色の強い作品」だそうです。さすがに、「さらば、わが愛〜覇王別姫」は見れませんよね。結局、あの映画のような人生を送ったということでしょうから。ただ逆に若いときの明るい笑顔などを見せられても、やはりそれはそれで泣けるわけで(むしろこっちのほうがきついかも)、私には見る勇気はないです。当分あの人の映画は見ないでしょう。心の中であの人のことを偲びたいと思います。

ついでに書いておきますと、レスリー・チャン Last Sceneという写真集が出版されています。「遺作となった映画『カルマ』のフィルムから選りすぐった名場面の追悼写真集」だということです。これからますますかっこよくなるはずだったのに、これが「Last Scene」なんて本当に残念ですね。
2004年02月20日
藍愛国『解構十七年』、華東師大、2003年9月、840円
本书选取了建国后“十七年”间创作的较有代表性的近十部文学作品,从文学本身的角度,对“十七年文学”作了较为深入的分析,并对这一时期文学创作的成败得失作了较为理性的探讨。
本の紹介は東方書店より。


さくさく読める本
勉強方法だけじゃありません
中国語学習者もそうでない人にも