王家平『红卫兵诗歌研究』



王家平『红卫兵诗歌研究』

 最近ではホームページの更新がまた停滞していますが、別に遊んでいるわけではありません。「矛盾論」の一章はだいたい訳し終えていたのですが、別の翻訳の課題ができたので、そっちをやっています。王家平という人の「红卫兵诗歌研究」という本で、去年台北で出版されたようです。
 66年の文革以来、それまでの新聞や雑誌がほとんど停刊に追い込まれます。文字通り、文学の「空白期」が出現するわけですが、読み物がまったくなくなったわけではありません。この時期に活躍したのが、本書で述べられている「红卫兵小报」です。紅衛兵というのはよく知られているように、当時の高校生や大学生がこしらえた私的な政治団体です。彼らは自分たちの政治団体をつくったばかりでなく、自分たちの新聞も発行するようになります。これが「红卫兵小报」(小さな新聞の意)です。一回の出版につき、小さなもので数万部、大きなものだと50万部も発行していたそうです。
 王家平さんがまず指摘するのは、当代中国出版史における「红卫兵小报」の意義です。新中国の建国以来、基本的には出版事業は党の事業とされます。勝手に雑誌なんかを出版することは許されなかったわけですが、「红卫兵小报」はこのタブーを初めて破ったんですね(王さんは言っていませんが、このことは、後に文革が終わって「北京の春」と呼ばれる民主化要求運動が起きますが、そのことに強く影響してると思います)。
 で、ちょっと脈略なく書きますと、例えば、張承志(作家、最初の紅衛兵団体の設立者の一人、「紅衛兵」という名称は彼の提案による)が『紅衛兵の時代』(岩波新書)という本を書いていますが、この本の中で彼は次のように書いています。


 「『紅衛兵』の三文字を記した私たちの最初の壁新聞が、突如として学校の大校舎正面のホールに出現した。これを取り囲んで読んでいた人々は、教師、生徒、他の学校の生徒、いや私たち自身でさえ、みな仰天した表情を浮かべていた。
 これは官製でない、共産党の直接の指導をうけない秘密組織が、解放後初めて中国で自己の存在を公式に宣言したのだった。その壁新聞の内容はスローガン式のもので、取り立てていうほどの理論も盛り込まれていなかった。見ていた人たちは壁新聞の中身ではなく、私たちが敢えて紅衛兵という組織を結成したことに驚いたのだった」。(55頁)

 長くなったので、今日はここまでにします。

[ 中国、中国語学習関連]
2003年12月11日 03:07  投稿者 goukou : トラバ休止中(スパムひどいため) | コメント (0) |編集

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Date: 2005.09.01

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